横浜から室蘭へ ヨットの旅 荒浜港〜八戸 その6

2012年8月12日 横浜出港から5日め、ここから計画的には八戸に行く予定だったのですが「1日や2日縮めてもしょうがない ゆっくり行こうや」ということで 気仙沼に向かって出港

 

釣り船が一斉に出ていった後をちょっと時間おいて 午前5時30分 例の狭い港口を恐る恐る出て

 

出たらすぐの濃霧 こっちの濃霧はすごいすごいと聞いていましたが 凄い! 5メーター先が見えない 出港してすぐにレーダーを見て船内で操船 金華山沖を目指す ムム 行く手に船がかたまって泊まっている

 

レーダーの間違いと思いつつ・・・500メーターくらい前で船の速力を落として 微速前進 「あっ 釣り船見えた」これだけじゃないぞ こっちにも こっちにも あれ〜 今日朝に出ていった釣り船がここにかたまって釣りをしているらしい。

 

全く見えない中 それも結構航路の真ん中 凄いの一言 

濃霧の中金華山沖を通過 北へ進路を変える ここらでちょっと行き交う船が見えたくらいで、後は霧が濃くなったり薄くなたり。 ここからはGPSの地図がない 大まかな日本地図と緯度経度が出ている

 

行く手は見えないので、気仙沼の入り口のブイの緯度経度を入れて底に向かってひたすら濃霧の中走る! 気仙沼に早く付きそうだったら大船渡港へ行こうという話で走っていた

 

このために、Kちゃんがしっかり一時間ごとに船の位置を地図に書き込んでくれていた。1日目に出港した時からやっていて GPSがあるからいいんじゃない? と思っていたのですが、ここくらいになるとK大将と一緒に海図をデッキに持ち出して二人で盛り上がっている

 

気仙沼の入り口のブイに近づいて、レーダーでブイも確認しているのに50メーター先にあるのにも肉眼で見えない そこらをくるくる回って 見えない おろおろ船長は、船内で操船スイッチを間違って押して(仕組みがよくわかってない)船は勝手に左に旋回しだすし・・・・あわわわ

 

ここでもう気仙沼入港は断念 「八戸まで走ろう」と言うことに。ここまで荒浜から80(約150キロ)マイルここから八戸までは126(約233キロ)マイル それも全く視界がきかない濃霧の中・・・・気合だァ

濃霧の中 Kちゃんと1時間交代でワッチ 夜の10時ころから眠い 昨日は何時間も寝ていない 僕は一時間寝ていい? と言った途端バースに潜り込んで深い眠りの中へ 約50分くらい寝たかな 起きてワッチ交代 その繰り返し K大将はお疲れ気味でソファでお休み中

 

夜中の12時から外がほんのり明るくなる4時くらいが長かった 途中「寝るね」と言ってバースに入ったら「K大将起きて もがみやがいない ちょっとちょっと」???? 俺ここに寝てるのに 起きてるひとが寝ぼけてる? Kちゃんは僕が外に出て見えなくなったと心配してくれた

 

これほど モーターセーラー(操船が船の中でもできるヨット)のありがたさを感じたことはない。普通のヨットだったら誰かが必ず外でワッチをしてなくてはいけなく。濡れるし 風当たるし 波かかるし・・・ ありがたいありがたい おじさん向けらくらくヨットです

なんだかんだで夜が明けて 午後12時 八戸港が見えてきた。その途端に雨が降ってきて これも楽しいなぁと思いながら 東航路から八戸港に入港 クルージングガイドで見ていた奥の新井田川の空きはなく 橋の手前にあった船の教習船が泊まっているバースに空きを見つけて停泊

 

早速飲み物を! Kちゃんが近くにあったスーパー 「浜のスーパー」 に買い物に行って、ビールとなんちゃってサンダルを買ってくる。彼いわく「すっごい人来て混んでるんだわ あとでなんかあそこで食べよう」 「うんうん 浜には美味しいもののあるんだねぇ〜」・・・・

 

二人は船から降りて頑として「ゆれない所で飲む」と岸壁でビールとおつまみで八戸入港に乾杯。その後 僕は近くのスタンドへ給油を頼みに このまま行けそうだったけれど用心のためにここで120リッターの給油をした。このお兄ちゃんにお風呂の場所聞いて お風呂にGo

お風呂からあがって 浜のスーパーでもぐもぐタイム 自販機で僕はざるそば Kちゃんが 特製海鮮ラーメン K大将が つけラーメン の券を購入 こんなにひっきりなしにお客さんが来るんだから 美味しいはず 美味しい? 海鮮ラーメンはワカメとイカのあげたのが乗っているが・・・美味しい?

 

わからないまま 「おいしいおでん」とKちゃんが買ってくれた黒ラベルで美味しくいただきました 不思議な食堂 ここは津波の被害があったのですが 人的被害はなかったらしい 良かった この浜のスーパーは津波にやられて復活営業している 頑張っています東北

 

不思議な気持ちで 浜のスーパーで明日のパン買って 船に帰ってだらァっとしていると K大将が誰かとやたら話し込んでいる ヨットのはなししている? もしかして「モリさんですか?」と声をかけると 笑顔で「はい!」

 

クルージングガイドによく載っている八戸では有名な「もりさん」が来てくれた。

ドラゴン という船の話で K大将とやたら盛り上がって、室蘭のMさんやらいろんなヨットの話と 次きた時の停泊場所を教えてくれて 帰っていかれた。こんな人にヨット旅行者は助けられているんですね ありがたい

船をもやった頃に上がった雨は こんな綺麗な景色をプレゼントしてくれました。もう終盤に入ってきた親父3人ヨットの旅  このあとはもう真っ直ぐ室蘭に向かいます。遅れると思っていた日程は最初に計画していたとおりになって ここまで事故もなく荒れた天気もなく 無事に楽しく進んでいます。 

 

走ること31時間 眠たかったけれど 結構余裕の航海でした。 よく走った よく走ってくれた